「熱……辛……」

そう言って舌を少しのぞかせる神谷を垣間見て、御徒町はそっとほくそ笑んだ。
のぞく舌が熱かったからか、それとも元々なのかほんのり赤い。
少しだけ唇から出しているそれに今すぐにでも食いつきたくなり、御徒町はそれを甘酒に意識を戻す事で誤魔化した。

「甘酒が苦手なんてやっぱりまだ子供だな」
「……味覚が敏感なんです。そういうあなたこそ、味覚がにぶ……」
「ん?何?」

微妙な顔で見上げてくる神谷にニッコリとした笑顔を見せると「……なんでもありません」と顔を逸らされた。
そんな反応の神谷を楽しそうに見ると、御徒町はとりあえず早くどこかに移動しようと甘酒を飲み干した。



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「Guidepost」 のかなみさんから頂きました!
この話はこちらの小話を元に描きました


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